累積リスクと累積有所見率とは以下のように定義された統計量です。

累積リスクとは、他の疾患に所見しないと仮定した場合の、ある年齢区間（通常0〜74歳）において個人が該当疾患に所見する確率である。
累積有所見率は、１歳年齢階級別有所見率の合計値であり、年齢階級別人口が同じ場合の直接的な年齢調整有所見率である
有所見率は、個人のある一時点における疾患有所見へのリスクを表す「率」であるのに対し、累積有所見率は、個人が一定の年齢内に疾患を患う危険度を表す「割合」であり有所見する確率である。通常パーセンテージで表す。

分かりやすく言えば、
累積有所見率は、集団が一定の年齢内に疾患を患う危険度を表す「割合」であり有所見する確率である
累積リスクは、他の疾患に所見しないと仮定した場合の、ある年齢区間において個人が該当疾患に所見する確率である
この定義に沿って将来予測を行っています。
考え方は死亡集団から平均余命を算出する方法と同じです。理論は難解ですが、そこから導かれる計算式は驚くほど簡単な式です。

分析として集団の将来予測には個人に関する累積リスクは必要ないのですが、面談等で個人と向かい合って話している時に（脅しを込めて危機感を抱かせるために）利用するのに使えますのであえて計算して載せています。

有所見率が将来的にどうなっていくか累積有所見率を用いて予測してます。
実際の報告書では累積有所見率だけを載せるようにし、「 現在わが社の男性２５歳の年代での有所見率は55.6%ですが、なんら対策を施さなければこの世代が４０歳代になると有所見率は66.9%に上昇し、６５歳以上になる頃には88.2%まで達することが予測されます」と記載します。